彡(゚)(゚)「このアニメの子は元々主人公の飼い猫なんか。長いこと生きたネッコが猫又になってヒロイン変化……ほーん」
彡(゚)(゚)「……」
彡(^)(^)「せや!ワイもネッコ育ててヨッメにしたろ!」
J( ‘ー`)し「働け」
彡(゚)(゚)「は? なんでや、猫飼いたいだけやで」
J( ‘ー`)し「ウチはアンタを飼うので精一杯よ。ウチに置くだけならともかく、餌代諸々はアンタか負担しなさい」
彡(゚)(゚)(なんやこのガイジ……)
彡(●)(●)「ファーーーーー!!!」
彡(゚)(゚)「ワイは収入無いからネッコは買えないし、飼えない」
彡(゚)(゚)「働くしかないんか……?」
彡(゚)(゚)「とりあえずペットショップ見に行ってみるか」
彡()()「ファッ!? 安いのでも5万前後するんか!?」
彡()()「こっから世話代もかかるんやろ……?オナホ買った方がマシやで……」
店員「子猫をお求めですかー?」ニッコリ
彡(゚)(゚)「!!」
彡(゚)(゚)「い、いゃっ……ォ……ォ……」オドオド
彡(゚)(゚)「も、もう帰りますんで……!」ダッ
彡(゚)(゚)「クッソあの店員……ネッコくらい一人で見させろっちゅーねん、職務怠慢みたいなモンやろあんなん」テクテク
彡(゚)(゚)「しっかし、いつ見てもこの辺りは人通りが少ないやんなぁ……ん?」
ニャーニャー
彡(゚)(゚)「ネッコ!?箱に入って『拾って下さい』て書いてあるってことは、捨て猫か」
彡(゚)(゚)「飼い主に捨てられたんか……お互い、ロクでもない飼い主持ってると苦労するやで」
彡(^)(^)「ワイはペットやないけどな!」
彡(^)(^)(……)
彡(;)(;)「痛い!痛いやでマッマ!ケツ叩かんといてくれや!痔が爆発してまう!」バシーン!
ニャー…
彡(;)(;)「こんな小さい内から家庭内暴力のシーンを見せるのはアカンて!やめて!やめてクレメンス!」バシーンバシーンバシーン
J( ‘ー`)し「ニートのアンタにネッコを飼う資格は無いって言ったでしょ!捨て猫なら、早く元いた場所に戻してきなさい」
彡(;)(;)「そ、そんな……」
彡(゚)(゚)(家は駄目や……どこか……どこかしばらくの間このネッコを匿ってくれるところは……あっ!)
彡(゚)(゚)「っと、スレ立てたろ。えーと、『マッマにケツ叩かれて痔が爆発したんやが質問あるか?』」
彡(゚)(゚)「落ちたわ」
彡(゚)(゚)「ホンマか原ちゃん!さすがワイの親友やで!」
(´・ω・`)「けどね、やきう君。僕はあくまで『預かる』だけだ」
彡(゚)(゚)「は?」
(´・ω・`)「生き物を飼うということはそれなりの責任が伴うものだ。君がどういった理由で親の制止を振り切って猫を飼おうと思ったのかは知らないけれど、そこははっきりして欲しい。いつまでも僕が餌代を出したりは出来ないよ」
彡(゚)(゚)「何が言いたいんや……?」
(´・ω・`)「まずはアルバイトでもいい、働くんだよやきう君。君は、この子の飼い主なんだから」
彡()()「」
彡(゚)(゚)(こんなニートでも雇ってもらえる辺り、バイトの面接は形式的なモノなんやなと思った。ちょろいわ)
彡(゚)(゚)(でも……)
店長「料理も出来ねぇ、掃除も出来ねぇ、接客も出来ねぇ!何しに来てんだ!」
彡(゚)(゚)「すまんな」
店長「原ちゃんの紹介って訳で我慢してたが、これ以上ミスが続いたらクビだからな!わかったか!」
彡(゚)(゚)「ファッ!?」
彡(゚)(゚)(ワイがクビになったら、ワイの猫耳ヒロインはどうなるんや!? アカン、もっと真面目に働いたろ!)
彡(゚)(゚)「アフィレスばかりやんけ」
(´・ω・`)「ありがとう」
彡(゚)(゚)「なんかトイレ等々以外に、オモチャとか増えとるな」
(´・ω・`)「僕もこの猫に愛着が湧いてきててね。でも、どちらかというとこの子は君に懐いているみたいだよ」
ニャーニャー
彡(゚)(゚)「普段世話しとるのは原ちゃんなのにか?変わったネッコやなぁ。よしよし」
ニャー!
彡(^)(^)「将来はええヒロインになるんやで」ニチャア
J( ‘ー`)し「やきう」
彡(゚)(゚)「……?なんやマッマ」
J( ‘ー`)し「原ちゃんから聞いたわ。アンタ、最近バイトしてるんだってね」
彡(゚)(゚)「せ、せやで。ネッコの餌代くらいは稼がんと、拾い主としてアレやからな」
彡(゚)(゚)(アカン、これは原ちゃんに迷惑かけるなってケツをシバかれる流れや……またワイの痔が……)
J( ‘ー`)し「原ちゃんも家にネッコを置くことは良いって言ってるし、私は何も言わないわ。定職に就く気になったらいつでも言いなさい。サポートしてあげるから」
彡(゚)(゚)(シバかれないやんけ)
彡(゚)(゚)(定職て、ニートのワイに何言っとんねん)
彡(゚)(゚)(……)
彡(゚)(゚)「なあマッマ。やっぱりワイの収入が増えれば、ネッコは喜ぶんやろか?」
(´・ω・`)「君が定職に就いた!? 君がバイトの量を増やし始めた時以来の驚きだよ、何の冗談だいそれは」
彡(´)(`)「ワイはやれば出来る子やったってことやなぁ」
(´・ω・`)「まあ、それは良かったね。どうする?収入も安定し出したなら君の親も文句を言わないだろうし、猫を君の家に移すかい?」
彡(゚)(゚)「せやな。世話の仕方も原ちゃん見て覚えたし、暇があったら見に来てくれや」
彡(゚)(゚)(未だに実家暮らしなのは恥ずべきことなのかもしれないが、最近のマッマはニート脱却を果たしたワイに対して怒ることは少なくなった)
彡(゚)(゚)(歳食ったせいやろか)
ニャーニャー
彡(゚)(゚)(……)
彡(゚)(゚)「ワイな。お前を拾う前まで、原ちゃん以外に友達なんておらんかったんや」
彡(゚)(゚)「今では会社の同僚や昔のバイト仲間とか……昔では考えられないほど交友関係 が広がったんや」
彡(゚)(゚)「もう未来のヒロインとか関係無い。お前には感謝しとるで、ネッコ」
ニャー!
彡(゚)(゚)「久し振りにスレ立てたろ。『【画像あり】ワイのネッコが可愛すぎる』」
彡(^)(^)「動物スレは伸びるなぁ」
同僚1、2「かんぱーい!」
彡(゚)(゚)「乾杯やで」
同僚1「いやー、今年も無事に乗り切れそうで安心したよ!残業も無いし!」
同僚2「う……私はまだ少し残ってる。やきうは?」
彡(^)(^)「明日も定時で上がりの予定やで」
同僚2「ずるいー。仕事手伝えとは言わないけど、残って私に付き合ってよー」
彡(゚)(゚)「別にええけど」
同僚2「えっ!?」
彡(゚)(゚)「え?」
同僚1「おっ、良かったな同僚2!これを機に決めちゃえばいいんじゃないか?」
同僚2「は、はぁ!?何言ってんの!すみませーん、生一杯!」
彡(゚)(゚)(飲むのはっや)
J( ‘ー`)し「やきう!大変よ、やきう!」
彡(゚)(゚)「ファッ!? なんやいきなり!?」
J( ‘ー`)し「ネッコが……ネッコがいなくなってるのよ!」
彡(゚)(゚)「は?」
彡(゚)(゚)(ネッコの失踪を聞いたあの夜、ワイは酒で鈍った頭を何度も振りながらネッコを街中で捜した)
彡(゚)(゚)(が、それからも捜し続け三日経った今も、ネッコは見つかっていない)
彡(゚)(゚)(話を聞いた原ちゃんや同僚たち、昔のバイト先の店長なども捜索してくれているみたいやけど……)
彡(゚)(゚)「今日は仕事が休みやんな」
彡()()「何のために隣町まで来たんや……クソッ!」
彡(゚)(゚)「……『【至急】千葉在住ワイのネッコを捜索するスレ』」
彡(゚)(゚)「『アメリカにいたで』『今、あなたの後ろにいるの』『ワイの隣で寝てるで』……どいつもこいつも!」
彡(゚)(゚)「ああ!?……原ちゃん?」
(´・ω・`)「今日は仕事が休みだから、隣町に君の猫を捜しに来たんだけど。荒れてるみたいだね」
彡(゚)(゚)「……」
(´・ω・`)「まるであの頃の……傲慢で愚かでワキガのニートだった、昔の君に戻ってしまったようだ」
彡(゚)(゚)(こいつワイのことそんな風に思ってたんか)
彡(゚)(゚)「なんや」
(´・ω・`)「君の猫は、急に君の家から姿を消したって話だったよね?」
彡(゚)(゚)「せやで」
(´・ω・`)「こんな話を知ってるかい?猫は自分の死期を悟った時、飼い主の前から姿を」
彡(●)(●)「それ以上言うなや!」
(´・ω・`)「!!」
(´・ω・`)「……同じことを誰かに言われたんだね。マッマさんか、同僚か」
彡(゚)(゚)「……すまん、一人にしてくれや。きうりやるから」
(´・ω・`)「味噌は?」
彡(゚)(゚)「あるやで」
彡(゚)(゚)(たかだかペット一匹がいなくなっただけでここまで凹んで、隣町の公園のベンチで俯いてる始末や)
彡(゚)(゚)(最近ワキガも再発してきている気もするし)
彡(゚)(゚)(……いや、もうペットじゃなかったんや)
彡(゚)(゚)(ネッコが化けてヨッメになるのを期待して飼い始めた。ワイの馬鹿な考えが元になった脆い絆やったけど)
彡(゚)(゚)(確かに、あそこには愛があったんや)
彡(゚)(゚)(きっと、あれはマッマに抱いてたのと同じ……)
彡(゚)(゚)「?」
彡(゚)(゚)(何やこの女の人。えらい若くて可愛いけど……猫耳付けとるやんけ!きっつ!)
???「まるで家族を失ったかのような悲壮な表情してましたけど。何かあったんですか?」
彡(゚)(゚)「!?」
彡(゚)(゚)(コイツ、家族亡くしたかもしれへんと思ってた奴に声掛けてきたんか!?)
彡(゚)(゚)「あ、いえ。別にそんな大層な話やないんですけどね……」
彡(゚)(゚)(気付けばワイはネッコのことをあらかたこの女に話してしまっていた)
彡(゚)(゚)(妙に聞き上手というか何というか……ワイの全てを知り尽くしているような包容感が、この女にはあったんや)
???「ふむふむ……そうですかー。そんなにその猫さんが好きだったんですねー」
彡(゚)(゚)「せやな」
???「そうですかそうですかー。……むふふっ」
彡(゚)(゚)(なにわろてんねん)
彡(゚)(゚)「は?」
彡(゚)(゚)「は?(撃滅)」
???「だから、私もその猫さんの捜索を手伝います。コンビ組みましょコンビ。猫さん捜索コンビです」
彡(゚)(゚)(……)
???「きっと、その猫は今もあなたに見つけてもらうことを望んでます。死んでなんかいません。姿は変わっているかもしれないけれど、ずっと、待ってます」
彡(゚)(゚)「……せやろか」
彡(゚)(゚)(けれど、この女は笑うんや)
彡(゚)(゚)(なんやろな、この気分。懐かしい―――?)
???「はいっ。差し当たりましては―――」
???「私の呼び名を決めて下さいよ。実は私、名乗る名前を保護者の方に付けてもらえてなくてですねー?」
彡(゚)(゚)「……じゃあ、ネッコで」
ネッコ「えっ?」
彡(゚)(゚)「えっ」
……ワイが真実に気づくのは、もっと先の話や
おわり
みたいなendなんやろうか
ハートフル
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